保守部品管理のムダをなくす3つの視点|在庫切れ・過剰在庫を防ぐ方法

はじめに

設備や機械の安定稼働を支える“縁の下の力持ち”——それが保守部品です。 しかし、保守部品の管理は後回しにされやすく、 「必要なときにない」「なぜか大量にある」といった課題が起こりがちです。

本記事では、保守部品管理にありがちなムダとその改善ポイントを、 3つの視点からわかりやすく解説します。

属人化・感覚管理から卒業し、スマートな保守部品管理を始めましょう。

1. 在庫基準が曖昧で「必要なときにない」状態が起きている

「壊れたけど交換用がない」 「在庫があるはずなのに見つからない」

このようなトラブルの背景には、在庫基準が不明確という問題があります。

よくある課題

  • 安全在庫や発注点が設定されていない

まず部品の使用、つまり故障はどのくらいの頻度で起こるのかを調べましょう。部品がもともと何年使える想定でつくられている物なのか?部品の中の度の機能が使えなくなって交換、修理をすることになるのか?実績を溜めれば溜めるだけ武器になります。故障頻度、期間を割り出すことによっておのずと安全な部品在庫のラインが決まってきます。

  • 過去の使用実績をもとに管理していない

安全在庫のラインでも触れましたが対応実績がなければ対応実績を残すところから始めましょう、いつ、どの部品を使用してどんな症状かを残せばおのずと3カ月ごと何台が必要等の基準が見えてきます。実績が集まれば集まるだけ正確なデータとなります。

  • 記録がExcelや紙でバラバラ

記録媒体は統一しましょう。Excelやスプレッドシートなら、後で集計するときに関数、ピポットテーブルで簡単に集計し、ツール化もできるので非常におすすめです。

解決策

  • 使用頻度・リードタイム別に在庫ランク分け(A/B/C分類)
  • よく使う部品には明確な発注点を設定
  • クラウドツールやスプレッドシートで履歴を一元管理

例:「年3回以上使う部品は、安全在庫=2個、発注点=1個」など

2. 登録名や型番が統一されておらず、探すのに時間がかかる

検索してもヒットしない。 同じ部品なのに複数の名前で管理されている。

これでは保守部品があっても、見つからず使えないというムダが生まれます。

よくある課題

  • 部品の型番・名称・品番がバラバラ

部品の名称、登録名は社内で統一しましょう、Excel、スプレッドシートなどで集計するときも効率敵に集計することができます。管理番号S/Nを割り振る場合は桁数等に統一性を持たせましょう例えば13桁部品Aは1始まり部品Bは2始まりにし連番にするなどすると管理が非常に効率的になります。

  • 担当者によって呼び方が違う

思わぬコミュニケーションミスにつながるので呼び方は統一しましょう。保守に使う部品が実は間違ってた!なんてことはよく起こります。統一した名称でコミュニケーションを円滑に行いましょう

  • 登録ミスや重複登録が多い

例えばExcel、スプレッドシートで関数で文字制限をつけたりチェックする人を用意してダブルチェックを徹底しましょう。一度間違って登録してしまうと棚卸まで誰も気づかないなんてことは結構あります。

例:読み取り機 スキャナ、 カードリーダー、カメラ等

解決策

  • 型番・品番・通称を統一した「マスタ表」を作成・更新
  • ラベルやQRコードで現物と紐づけ
  • 検索性の高い保管ルール(棚番やカテゴリ分け)を導入

3. 使用実績を分析しておらず「なんとなく在庫」が増えている

長年の“備え”で増え続けた保守部品—— 結果的に保管スペースとコストを圧迫していませんか?

よくある課題

  • 「いつか使うかも」で在庫が増え続ける

そのうち使うかもしれないと在庫を増やしてしまうと結果的にストレージを圧迫することになります。

  • 廃番品・使わない部品が棚に眠っている

年末や棚卸後、期末など期間を決めて不要なものは廃棄しましょう。スペースもストレージですので借りている倉庫なら費用の無駄が発生してますし、自社のスペースであってもストレージの無駄な仕様となります。朴善と処分するのではなくスペースが空いたら次何に使うのかを考えながら整理しましょう

  • 使用実績に基づく見直しがされていない

使用実績を残して確認し使用しない物はどんどん削減していきましょう。使用実績を今まで記録していなかった場合はさかのぼりながら実績をつける、もしくは今からつけていくといったようにすぐに対策をすることで、今後の無駄の削減が見込めます。

解決策

  • 年1回の在庫棚卸と「使っていない部品」の可視化
  • 2年以上未使用の部品は要検討対象とする
  • 廃棄 or 減数 or 他部署・他拠点への再配分も視野に入れる

おわりに|保守部品管理こそ「仕組み化」が重要

生産現場やサービス業務において、 保守部品の有無は稼働率や顧客満足度に直結します。

  • 在庫基準を持つ
  • 名前と保管ルールを整理する
  • 使用実績に基づいて見直す

この3つを徹底するだけで、 保守部品の管理は大きくスリム化・効率化できます。

 

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